贈られた人が幸せになるといわれる、北欧の先住民族の伝統工芸品「ククサ」。この度、お世話になっている人が節目の誕生日を迎えるので贈ることにした。
木が素材なので、やっぱり実際に見て、木目や色が一番ステキなククサを贈りたい。というわけで実物を見ることのできるお店を探し回ったことの記録。
ククサとは
ククサ(Kuksa)は、北欧スカンジナビア半島の遊牧民、サーミ人の伝統的な手芸品で、白樺の木のコブで作られたマグカップ。贈られた人は幸せになるという言い伝えがあり、日本でも人気が高まっている。
使うほどに味わい深くなり、手入れをすれば一生使えるとのこと。贈る方もテンションが上がってしまうほどのステキアイテムだ!!
一番ステキなククサを贈ろう
ネットでも売っているショップは色々あったけど、特別な贈り物を1クリックで済ませてしまうのは味気なさすぎる。一つ一つ個性があるものだし、自分の足を動かして、実物を選んでなんぼだな。と思ったので、店頭で販売している東京都内のお店を探すことにした。まずはネットで…。
ワイルドローズ国立に行ってきた
ククサで検索した時に上位にでてくる「ワイルドローズ国立」さん。店舗はもちろん国立。中央線でいってきた。サイトにも色々なククサが載っているし、ここでほとんど決めるつもりで乗り込んだ。
店内に入ると、かわいい小物や布製品がそこここに並んでいる。つい目移りしながらも奥に進むと、ククサが置いてある棚を見つけた。
でも、あれ?意外と種類が少ない。四、五種類くらいしか置いてないのだ。ネットショップをメインでやっているのかな?とも思ったけど、もう少しいろんな種類を見てみたかったので、お店の方に他のククサが無いか尋ねてみた。
高い技術力と伝統的な手法でククサを作り続けてきた、プーハリ社の工場が閉鎖していた…
お店の方からは、とても有益なお話を伺うことができた。
まず、店頭に並んでいない、サイトに掲載されていた色々なククサは、「プーハリ(puuhari)社」というところのククサであること。そして、ククサの原料である白樺という木のコブ(バハカ)がとても貴重で、数年前から入手が困難になっていたため、プーハリ社は工場を閉鎖してしまったということ…。
参考:
プーハリジャパンTOP
店頭に並んでいるのは「コイブマー社」というところのククサ。こちらもバハカを使用し、伝統的な技法で作られている。
でも、工場を閉鎖してしまったプーハリ社の職人さんの技術力はとても高く、中でも、デコボコが特徴的なククサは他ではなかなかマネできないらしい。
コイブマー社のククサもかわいかったけど、やっぱりもう少し種類が見たかったので、お店の方にお礼を言い、ワイルドローズ国立を後にした。
東京都内でククサを見ることができるお店をもっと探す
もう一件、ククサを店頭で販売しているお店をチェックしていたので当たってみた。
北欧雑貨KUKSA
鷹の台にある、一階がカフェの店舗だ。コイブマー社以外のククサもあるか確認してから向かおうとしたが、電話したところ「移転の為繋がらない」というアナウンスが流れてきた。
雲行きが怪しくなってきた。
色々調べてみた
A&F COUNTRY SHOP
仕方ないのでその場でできる限り調べてみた。最初に見つけたのが、「A&F COUNTRY SHOP」ルミネ新宿店のブログだ。
A&F COUNTRY SHOP BLOG
五年前の記事だったが念のためルミネ新宿店に確認してみたところ、やっぱり既にA&F COUNTRY SHOPはテナントから外れていた。
A&F COUNTRY SHOP自体を調べると、本店は新宿にあるようなので電話して聞いてみた。…→ククサは置いているが、全てコイブマー社製で3、4種類。他の店舗にもククサはあるけど、種類は変わらないとのこと。
北欧の匠
北欧の匠は、銀座にある北欧の職人手作りのアイテムを取り扱っているお店。とある情報によると、上に書いた「A&F COUNTRY SHOP」の仕入先らしい。ということで取り扱いはコイブマー社製のみのよう。画像の手のようなマークはコイブマー社のロゴ。
OD BOX
mixiの何かのコミュニティーで、OD BOXという所でククサの目撃情報があったので調べてみたところ、こんなブログ記事を見つけた。
もうコイブマー社製のものは一目でわかるようになってしまった。この記事のククサはコイブマー社のものだ。あとは、「クピルカ」という、合成樹脂を使用したククサ風のカップ。
というわけで
コイブマー社のものであれば、実物を見てある程度吟味できると言えそう。こちらもれっきとしたククサであることは間違いないので、形や色がいい感じのものが見つかったら、縁があったと購入するのがいいと思う。
コイブマー社もいつ生産を中止してしまうかわからないし、少なくとも今後も値上がりするような気がするので。
だがしかし、コイブマー社以外(といっても、他に伝統的なククサを作っているところはプーハリ社くらいっぽいけど)のククサを実際に見るのは、結構厳しいかもしれない。
ワイルドローズ国立の方も、プーハリ社のククサを求める人はとても多く、ネットで探せるようなお店には置いてないんじゃないかとおっしゃっていた。
いつかは贈りたい、プーハリ社のククサの魅力
コイブマー社のククサもステキだけど、個人的に取っ手の形が違うものがよかったので、今回は見送った。こういうアイテムは縁を大事にしたいので、出会いがなければ無理に買うこともない。
近頃はハンノキなどの、白樺のコブではない素材で作られた現代版のククサもあり、気に入ったものが見つかればそういうものを送るのもアリかと思う。クピルカもなかなかかわいいし、耐久性や管理といった実用性の高さは、ククサよりもむしろ高いらしい。
写真はクピルカ。これもかわいい。出典:WESTERLIND
しかし、調べるほどプーハリ社のククサは、他と一味違うということがわかり、「いつか贈るならプーハリ」という気持ちが強くなっていく。奇跡的に出会えたその時は…!
伝統にこだわる職人気質
白樺のコブ、バハカの入手が困難になってからも、他の木製品の原料のストックをククサに当て、伝統を守り続けようとしたプーハリ社。しかしそれも厳しくなり、工場を閉める結果に…。非常に残念ではあるけど、「本物を作リ続けることができないのならやめる」という職人気質に惚れる。
クマの刻印
プーハリ社のククサの底面に施されている、ロゴにも使われているクマの刻印に惚れる。
トナカイのツノと皮
取っ手につけられた紐には、トナカイの皮が使われている。そして先端につけられているトナカイのツノに惚れる。
今回、結局ククサを贈ることはできなかったけど、それでいいのだ。いつかステキなククサに出会えるまで、気長に待つことにする。他にもククサを見ることのできるお店をご存知の方は、是非是非教えてくださいませ。では、よいククサライフを。